森川葵×北村匠海×佐藤寛太「恋と嘘」現場レポ、「ただのキラキラ映画じゃない」

2017年6月29日2017年6月29日 editor

ムサヲ原作の実写映画「恋と嘘」の撮影が、5月初頭に茨城県内にて行われた。コミックナタリーでは撮影現場の様子をレポートする。

古澤健が監督した本作は、政府の指名によって結婚相手が通知される世界を舞台に、森川葵演じるヒロイン・仁坂葵の恋を描くラブストーリー。映画では原作マンガとは異なり、女1人と男2人の三角関係が映し出される。葵の幼なじみ・司馬優翔を北村匠海（DISH//）が、政府通知が定めた葵の結婚相手・高千穂蒼佑を佐藤寛太（劇団EXILE）が演じた。

不器用で真っすぐな葵役を務めるにあたり、森川は「私はどっちかって言うと根が暗いので、“森川葵”に引っ張られると暗い作品になっちゃう。なるべく明るくポジティブに、と思いながらやっています」と語る。北村は「台本に書いてなくてもセリフを言いながら笑ったり、微笑みっていう部分をすごく気にしてます。そこから優しさが伝わるのかなと思って」と、佐藤は「僕が演じる高千穂は、前半と後半で人間性の違いがあるので、ギャップを意識しています」と役作りについて述べた。

日中に撮影されたのは、葵と高千穂の初デートの場面。ぎこちなく手を繋いだり、急に顔を近付けたりする高千穂に、振り回される葵の姿が切り取られた。そんな胸キュンシーンの数々に挑むうえで佐藤は、顔の近付け方や肩に触れるタイミングなど、古澤監督と細かい部分の相談を重ねていく。「ReLIFE リライフ」「今日、恋をはじめます」といった恋愛映画を手がけてきた古澤監督に関して、森川は「昨日は高千穂とのキスシーンを撮ったんですが、監督がそろそろっと来て『いやあ僕、こういうのが好きだから胸キュン映画撮ってるんだろうな』って言ってたんです（笑）」と明かす。北村は古澤監督のしゃべり方をまねながら「このあいだもそそそっと駆け寄ってきて、『今のすごい、よかったよ』ってこっそり言ってくれて。そうすると自分の中ですごく達成感があって、やっていて楽しいと思える現場です」と笑顔で振り返った。

そして夜には、司馬が葵に告白する場面と、その直後の高千穂の初登場シーンが撮影された。ここでは北村が司馬の心情を考えながら、立ち去り方などの演技プランを古澤と話し合っていく。3人の共演シーンはこれが初めてだったことから、お互いの演技について尋ねると、佐藤は「僕は台本を読んでごちゃごちゃ考えちゃうタイプ。でも葵ちゃんの表情はすごく豊かだから、目の前で見ていたら僕もそれらしいリアクションを起こせる」と、北村は「仁坂葵の笑顔を見たからこそ出てくる司馬の表情がある。そういう意味で、引っ張ってくれてる」と揃って森川を絶賛していた。

原作マンガを読んでから本作の現場に臨んだという北村は、「自由恋愛と、それの対になる政府通知からの恋愛があって……やっぱりただの王道ラブストーリーにはならないなと思った」と語る。3人ともいわゆる“キラキラ映画”には苦手意識があったそうだが、森川は「初めて台本を読んだときに『ただのキラキラした青春映画じゃないな』って思ったんです。ラストもただただ幸せに終わるわけではない」と、佐藤は「蒼佑は少女マンガに出てきそうな、テンプレートなキャラにはしたくなかった。キラキラした作品イメージもあると思いますが、監督とも人間的な要素を出していきたいと相談しました」とこだわりを明かした。

映画「恋と嘘」は今秋全国ロードショー。